私には現在4歳の娘がいます。
妊娠してから今まで、私にとってはあっという間のようで、同時にとても長い時間が経ったようにも感じます。
正直、つわりや分娩の苦しさ、寝不足の頻回授乳、イヤイヤ期など、しんどかったことはほとんど覚えていません。
正確には、覚えてはいますがそれを思い出して苦しむことはありません。
しかしなぜか、夫のイヤだったところは覚えていますし、たびたび思い出して「あーもう!」と思います。
ネットで色々な方の意見を見ても、「出産前後の恨みつらみは一生尾を引く」というのが一般的な意見のようです。
- つわりで苦しいときに「妊娠は病気じゃない」とか言われた
- オムツ換えをしてくれなかった
- 夜泣きに対応しない(起きない)
- 育児の苦労を知りもせずに「かわいい」ばっかり
- 「仕事で疲れてるから」と育児は任せきり
そうした、他人からは些細に見えることを理由に離婚に至る夫婦も珍しくないのです。
新しい家族が増えるという喜ばしいことで、そんな悲しい事態は避けていただきたい・・・ということで、
- 私が夫に言われてイヤだった言葉
- こうしてくれたらよかったかな、という対応
をまとめています。
プレパパ、新米パパの参考になれば嬉しいです。
そして悲しい思いをするママが減ってくれたら幸です。
もくじ
産後のママはとってもデリケート
- マタニティブルー
- 産後クライシス
- 産後うつ
- 育児ノイローゼ
こんな言葉がゴロゴロあるくらいに、出産前後の女性は気持ちが不安定になってしまうものです。
赤ちゃんをおなかで育てるために、内臓の位置や骨格すら変わりますし、産後はそれが急激に元に戻ります。
妊娠が判明してからは、食事や服装などの生活面も赤ちゃん中心にシフトし、十分な睡眠が取れなかったり、ガマンすることが増えたりもします。
そんな中で、気持ちが不安定になるのは当然です。
私の場合、特に産後は気持ちの浮き沈みが激しかったです。
目の前にいるのは、小さくて弱弱しくて、私が守らなければあっという間に死んでしまいそうな赤ちゃん。
この世で最も愛しい存在です。
その愛しいわが子の命、そして未来の人生を背負っているという責任感が、ずっと覆いかぶさっていました。
よく「子連れの獣は凶暴」と言いますね。
まさにそれです。
産前産後のママは「わが子を守る」という本能に従っています。野生です。
その最大のミッションのために、些細な刺激にも敏感に反応します。
敵となりうるものを即座に判別し、攻撃に移れる状態にあるといっても過言ではないでしょう。
ですから、対応を間違えると赤ちゃんの父親とはいえ「敵」とみなしてしまうのです。
そして産前産後のむき出しの本能に「敵」と刻まれたデータは、なかなか打ち消せません。
このデータが長く引き継がれると、将来的に家庭のあり方・夫婦関係に大きな影響を与えると個人的に考えます。
無用な衝突を避けお互いのストレスを軽減し、「子育て」を二人のミッションとするために、私の経験談がお役に立つかも・・・しれません。
産後、私が言われてイヤだった言葉
「安産でよかった」
私は、36週の早朝に破水してすぐ病院へ行き、促進剤を使って出産となりました。
お産はサクサクと順調に進んで、分娩所要時間は5時間30分。
陣痛で苦しんだのは促進剤を投与後の実質3時間半くらいです。
会陰切開しましたが、出血はほとんどありませんでした。(母子手帳には『出血量:少量130ml』とあります。)
事前のパパママ学級では
「初産は時間がかかって、平均して15時間ほど。20時間越えることもザラ」
と言われていたので、思いのほか短く済んだわけです。
助産師さんにも「安産だった」と言われましたし、私自身、そう思います。
しかし夫が「安産でよかったよ~」と言ったときは、イラっとしました。
というか、私以外に「安産」と言われるのは正直、ムカつきます。
それが、たとえプロの助産師さんや産婦人科医さんであっても、です。
そりゃ、もっと長くツライお産はいくらでもあります。
私の場合、大きなトラブルもなくスムーズな出産で、娘も健康に生まれました。
しかしそれでも、気が遠くなるほどの(実際何度か気を失った)痛みに耐え、股を切られ、いい歳した大人が泣き喚きながら、それこそ全身全霊で出産したんです。
そこに優劣はないんです。
当時は、私の苦しみを軽んじられたようで、ものすごく不快でした。
もちろん、夫にそんな意図は全くなかったことは承知していますが・・・
「安産」というのは一般的にポジティブな言葉です。
でも他と比較したり、安産=楽、軽いというニュアンスがあります。
私のようにネガティブに受け取ってしまう場合もあることを知っていてほしいです。
全ての出産は命がけ!奇跡!ということを忘れずに・・・
「子供とずっと一緒でうらやましい」
産後、夫は娘にメロメロ。
娘が生まれた当時は家から車で10分ほどの職場だったこともあり、昼休みに娘の顔を見に帰ってくるほどでした。
そして職場へ行くときにたびたび、「娘とずっと一緒にいられてうらやましい」と言われました。
そう言う夫の気持ちはよく分かります。
低月齢の赤ちゃんは表情も体格も、日々どんどん変わっていきますし、どれだけ見つめても見飽きないものです。
しかし私は、初めての育児に四苦八苦。
実家がないので里帰りもせず、友人もいないので夫以外に話す人もいません。
毎日赤ちゃんと二人きりで右往左往し、強い孤独感と不安感の中にいました。
また、完全母乳育児だったのでまとまった睡眠がとれない、トイレやお風呂、食事もゆっくりできない状況。
なかなか泣き止まない赤ちゃんを数時間抱っこしてあやし続けるなど、簡単に言ってボロボロでした。
そんなしんどい状況で「うらやましい」と言われるのは、いくら夫の心情をおもんぱかっても、不本意なものです。
内心、赤ちゃんから離れられる、他人と意思疎通が図れる夫が、私にはうらやましかったです。
ママは慣れない育児、赤ちゃん中心で不規則な生活に疲れています。
赤ちゃんがかわいく、日々元気にすくすく大きくなっているのは、人知れずママが頑張っているからだと、知っていてください。
赤ちゃんだけでなく、ママをリスペクトして大切にしてあげて欲しいです。
理想は数日でも育児休暇をとるなどして、パパが育児の中心になる日を作ることでしょうか。(夫はムリでしたが)
赤ちゃんとたっぷり過ごせるし、ママに余裕が出来るしで一石二鳥。
しかし「案外簡単だね」などは更なるNGワードなのでご注意ください。
「ママが一番」「ママじゃないと」
娘が泣き止まないときだったり、私の抱っこでしか寝ない(布団に下ろせない)ときなどに言われることがありました。
「やっぱりママがいいんだね」
「ママじゃないとダメだね」
という類のセリフ。
夫は、育児の負担が私に偏ってしまう罪悪感「ママがいつも一緒にいて頑張ってくれているから」という気持ちから、こうした言葉を口にしていたようです。
私が育児に参っているときには、元気付けようといった意図もあったかと思います。
しかし特に低月齢のころは、非協力的・無責任な言葉に聞こえました。
この類の言葉は娘が4歳になった現在も時々言われるのですが、今は色々言い返しています。
「それは<母親だから>じゃなくて、娘に全てをささげて仕えてきたからこそだよ」って。
協力姿勢をみせてほしいです。
ママと同じくらい赤ちゃんに信頼してもらえるように頑張るよ!という感じ・・・?
ただ、産後直後にやりすぎると「子供を奪おうとする敵」と認識される可能性もあります。
「ママほど上手にできないから、コツや気を付けてることがあったら教えてほしいな」とか、いかがでしょうか。
ママが参考にしている育児書や育児系サイトなどに目を通すのもおすすめ。
私の対応、夫婦の対策
今でも思い出して軽くムカムカする、以上の言葉。
(紹介したものは厳選したワードで、掘り返せば他にも大小いろいろあります・・・)
我が家の場合は、折々に私から「さっきの言葉はイヤだった」「こういう言い方はしないでほしい」といった発信をしました。
恥ずかしながら、冷静になれずに感情をぶつけてしまったこともあります。
結果としては、夫もある程度理解してくれて、その後の言動に反映してくれています。
また、話し合うことで夫の意図を知ったり、私が夫を傷つけたことに気付けたり、といったこともありました。
お互いに思うことを吐き出し、歩み寄る気持ちを持っていたのが重要だと思います。
ただ、消化はしているつもりですが、未だに忘れられません。
怒ったり恨んだりしているわけではありませんし、夫には感謝しています。
しかし、たびたび思い出してモヤーっとした気持ちになるのも事実です。
こうした積み重ねの処理を間違えてしまうと、夫婦の間に溝を作ってしまうのかも・・・と感じています。
夫婦のコミュニケーションが大事
当然ですが、なにをイヤだと思うかは人それぞれです。
私が挙げた言動を気にしないママもいるでしょうし、私が気にしないようなことで傷つくママもいます。
つまり、夫婦で話し合うことが重要です。
ママは妊娠から出産、産後とあまり余裕がないので、パパのほうから歩み寄ってあげてほしいです。
パパも大変なのは重々承知です。
多分ママも「迷惑をかけてしまっている」と申し訳なく思っている方が多いと思います。
そうした自責の思いがある分、ママはイヤな気持ちにふたをしてガマンしてしまう傾向もあるんです。
自分からは言いにくいんですね。
しかしそうした心的な負担が大きくなると、産後うつや育児ノイローゼにもつながってしまうでしょう。
なのでパパから、
「○○だと思っているけど、君はどう思う?」
「手探りだから育児で至らないところもあると思う。でも父親として頑張りたいから、なんでも気になったことは言ってほしいな」
という感じで提案していてくれると、話し合いしやすいのではないでしょうか。
初めての育児で不安があったり、うまくできずに焦ったり・・・それはお互いさまです。
そこを協力して乗り越えられるか、しこりを残してしまうかは、夫婦関係や家族のあり方に大きな影響を与えます。
夫婦そろってなるべくストレスなく、家族の大事業「出産・子育て」のスタートを切れるように、この記事が参考になれば嬉しいです。