数年前のことになりますが、娘を妊娠中に「トッポンチーノ」を手縫いで作りました。
娘が4歳になった現在は枕になっているトッポンチーノ。
- 新生児を抱っこするとき
- 寝かせるとき
- 授乳クッション風に
- 寝返りを始めたら壁のガードに
- お座りを始めたら転倒防止に
- 幼児の枕に
と、思ったより長く使えました。
手作りしたこともあって思い入れも強く、私と娘の大切なアイテムになっています。
そんなトッポンチーノ、これからママになる妊婦さんにぜひおすすめなので、簡単な作り方をまとめました。
もくじ
トッポンチーノは赤ちゃん用ミニお布団
トッポンチーノとは、赤ちゃん用の小さなお布団です。
新生児をトッポンチーノごと抱っこしたり、そのままベッドに下ろして寝かせたりできます。
イタリアの女医、マリア・モンテッソーリが考案した「モンテッソーリ教育」では、トッポンチーノの使用が推奨されているそうです。
トッポンチーノのメリット
トッポンチーノのメリット、効果として以下のようなものが挙げられます。
- 首すわり前の赤ちゃんでも安定して抱っこしやすい
- 新米ママパパも抱っこしやすいので赤ちゃんも安心する
- 生まれたころから使用することで、赤ちゃんがトッポンチーノで落ち着くようになる
- 抱っこから下ろすときに「背中スイッチ」が作動しにくい
私が一番感じたのは、新生児抱っこのときの安心感!
生まれたばかりの赤ちゃんは、ふにゃふにゃと柔らかくて小さくて、壊れてしまいそうに頼りないです。
私は娘の妊娠中に両親学級で新生児赤ちゃんを抱っこさせてもらったのですが、とっても緊張しました。
そのときにトッポンチーノの作成を決心したほどです。
実際、トッポンチーノごと抱っこすることでかなり安定して抱けました。
ちょっとくらいなら片手でもOKなのも助かりましたね。
抱っこ中に夫へバトンタッチするときにも、トッポンチーノごと受け渡すとお互いに安心。
それだけでも作ってよかったと思いました。
そんなトッポンチーノ、興味はあるけど手作りは大変そう・・・というママ向けに、ネットで購入できるこだわりのお店をまとめました。
手作りトッポンチーノの材料
トッポンチーノは、ヌードクッションにカバーをかけて使います。
枕と枕カバーのイメージ。
- 中綿(300g)
- ヌードクッション用の布(67×47cmを2枚)
- カバー用の布(67×47cmを1枚、35×47cmを1枚、45×47cmを1枚)
トッポンチーノにママのにおいが付いていると赤ちゃんが安心する、ということで、ヌードクッションにはママの着ていたTシャツなどを使う場合もあります。
また、オーガニック素材でそろえる方も多い印象です。
私はいろいろ調べて、オーガニックにこだわらなくてもいいか、という結論でした。(価格も高くなるしね)
私が買った材料
中綿
綿100%の中綿。オーガニックではありません。
内容量370g。私は全量を使い、結構ボリューミーな仕上がりになりました。
もう少しクタッとしていたほうが抱っこに使いやすいかも。
トッポンチーノの出来上がりサイズ等で調節してください。
ヌードクッション用の布
ブロードクロスは薄手で縫いやすく、適度なハリと柔らかさがあります。
安いのも嬉しいポイント。
カバー用のダブルガーゼ・シーチングクロス
カバーは節約のためにダブルガーゼ(上面)とシーチングクロス(下面)を組み合わせました。
シーチングクロスは、パリッとハリのある生地。
ダブルガーゼと違ってふにゃっとしないので、 抱っこするときに適度なハリがあって抱っこしやすかったです。
使い勝手の面でも、シーチングクロスはおすすめです。
カバーは洗いがえに2~3枚は用意したいところ。ダブルガーゼはかわいい柄が多いので、選ぶのが楽しかったです。
出産まで赤ちゃんの性別が分からなかったので、男女どちらにも合うように選びました。
利用した手芸店について
当時は
- 楽天(Amazonはよく知らなかった&当時送料が高かった)
- ひとつのお店で材料を全てそろえたい(送料節約)
- 中綿は綿100%
という条件から、楽天のアットホビー@スタイリストゴトウで材料を購入しました。
当時は綿100%の中綿って布団屋さんくらいしか扱いがなくて、手芸店ではアットホビーだけだったんですよね。
他の手芸店はポリエステルしか見つからなかった記憶。
今調べてみると、Amazonも楽天もちょっと選択肢が増えていますね。
トッポンチーノの型紙
サイズは65cm×45cm。
型紙は、家にあった厚手の広告紙で作りました。
完成サイズで型紙を作り、裁断のときに縫い代をプラスしています。
サイズが大きいと抱っこしにくいし、小さいとすぐにサイズアウトしてしまいます。悩ましいところ。
私は65×45で満足していますが、座布団などでシミュレーションしてサイズを決めてください。
水通し
布の裁断前に「水通し」をすると、生地の縮みや歪みを抑えられます。
特にガーゼは縮み&歪みやすいので水通しが大事です。
- 布を水でぬらす
- 水が滴らない程度に軽く絞る
- 半乾きまで干す
- 布目をそろえながらアイロンをかける
という手順ですが、面倒だったら「霧吹きでしっとり濡らす→アイロン」でもなんとなくOKかと思います。
ヌードクッションの作り方
手縫いでの作り方ですが、ミシンでも同じように作れます。
全体の流れ
- ブロードクロスに型紙の型を写す
- 型から1~1.5cmの縫い代を取って裁断(2枚)
- 中表(表面を向かい合わせ)にして、型紙の線で縫い合わせる(本返し縫い)
- 直線部分に20cmほど返し口を残しておく
- 返し口の縫い代部分を折ってアイロンをかけ、線をつけておく
- 返し口からひっくり返す
- 綿をトッポンチーノの形に合わせて整え、全体の厚みが均一になるように調節する
- 綿が偏らないように、6ヶ所ほど縫い止める
- 5で作った袋に綿を入れる
- 綿がズレないように袋ごと6ヶ所ほど縫い止める
- 返し口部分を「コの字縫い」で縫い閉じる
裁断
型紙は出来上がりサイズなので、周りに縫い代をプラスして裁断します。
内側に入るので切り口がガタついても大丈夫。
同じ形で2枚裁断します。
袋状に縫う
裁断した2枚のブロードクロスを、表面を向かい合わせにして周囲を縫います。
縫い方は本返し縫いにしましたが、半返し縫いでも大丈夫だと思います。
強さは、本返し縫い<半返し縫い<並縫い、という感じ。
直線部分の20cmほどを残して、袋状にぐるっと縫っていきます。
20cm残す部分は、縫い代部分を折ってアイロンをかけ、縫い線のあとをつけておくと閉じるときに縫いやすいです。(縫い代を割る)
縫い終わったら、袋をひっくり返して表面を外に出します。
本返し縫いの縫い方
半返し縫いの縫い方
綿をつめる
綿をトッポンチーノの大きさに広げて全体の厚みを均一に整えたら、軽く縫いとめます。
20cm残している部分から綿をつめます。
全体の様子を見て、よさそうだったら袋ごともう一度縫いとめます。
2回目の縫いとめのときには、位置をずらして縫いとめる方向(?)も変えました。(1回目と90度変えて、1回目↑2回目→、という感じ)
袋を閉じる
20cm開いている部分を、コの字縫いで閉じます。
コの字縫いの縫い方
カバーの作り方
カバーは3つのパーツで作ります。
- 上面(赤ちゃんを乗せる面):ダブルガーゼ(65cm)
- 下面シーチングクロスA(45cm)
- 下面のシーチングクロスB(35cm)
開口部分はシーチングクロスのAとBが10cmほど重なったつくりです。
この重ねが少ないと、抱っこするときに腕でめくれてしまい使いにくいです。
また腕でめくれにくいように、45cm・35cmとパーツの長さを変えて、開口部分を少しだけ足元側に寄せました。
開口部の位置は好みに合わせて調節してください。
めくれが気になる場合は、マジックテープやボタンをつけるといいでしょう。
全体の流れ
- 3つのパーツを裁断する
- シーチングクロスA、Bの開口部分をまつり縫いする
- 中表(表面を向かい合わせ)にして3つのパーツを縫い合わせる
- 開口部分からひっくり返す
裁断
3つのパーツはそれぞれ、型紙に縫い代をプラスして裁断します。
シーチングクロスは80cmサイズで裁断した後、2つに切り分けると楽です。
シーチングクロスのまつり縫い
開口部になるところは、布の端を三つ折にしてまつり縫いします。
アイロンをかけてから縫うとやりやすいです。
まつり縫いが面倒な場合は、布用のボンド「裁ほう上手」を使うと簡単です。
裁ほう上手については「裁ほう上手」で幼稚園グッズを簡単に手作り!初心者でも大丈夫にまとめています。
中表にして縫い合わせる
布の表を向かい合わせにして縫っていきます。
私は本返し縫いにしました。
ヌードクッションの取り出し口からひっくり返すので、ぐるっと1周縫ってOKです。
上下が分かるようにするなら
トッポンチーノは、赤ちゃんを寝かせる向きを決めて使うと
- 形が赤ちゃんになじんで使いやすい
- 赤ちゃんがより落ち着く
といったことがあるようです。
本家?のものは上下左右が分かるように、赤ちゃんの頭側にフリルをつけてあったりします。
私はフリフリが好みではない(面倒)だったのでフリルはつけませんでしたが、
- ヌードクッション用のブロードクロス(頭側)に刺繍
- カバー(足側)にタグ
をつけて、上下が分かるようにしていました。
ワッペンなどでもいいと思います。
でも上下にはこだわらなくてもいいかも・・・?私が使っている分には、あまり上下の区別に利点は感じませんでした。
においをつけて完成
トッポンチーノには、ママの匂いをつけておくと赤ちゃんが落ち着くそうです。
生まれたばかりの赤ちゃんは、目がほとんど見えません。
ママの存在を感じるのは、肌の感触とにおい、そして声。
赤ちゃんがママの存在を感じて安心できるように、産前からにおいをつけておきましょう。
そうすることで「トッポンチーノ=安心する場所」と覚えてくれます。
オンリーワンのトッポンチーノを手作り
工程を見ると、ちょっと難しそう・・・と感じるママもいるかもしれません。
でも、実は「布を切って縫うだけ」です。
形はシンプルですし、型にあわせて縫うだけ。
ミシンがあればサクッと完成しますが、手縫いでもそんなに時間はかかりませんでした。
実際、手芸が苦手な私でも毎日少しずつ作業を進めて、1週間もあれば完成したと記憶しています。
家庭内で使うものなので、多少ゆがんでいても大丈夫!
チクチク・・・まだ見ぬ赤ちゃんのことを考えながら針を進める時間はとても幸せでしたし、
赤ちゃんの幸せを思いながら作ったトッポンチーノで実際にわが子が眠る様子を見られたのは、なんとも感慨深かったです。
抱っこに使うのは短い期間かもしれませんが、クッションとして長く使えるのでコスパも抜群。
ぜひ手作りしてみてほしいな、と思います。
ママの愛情がいっぱい詰まった手作りトッポンチーノで、ママも赤ちゃんも素敵な育児ライフをおくれますように♡