2019年2月18日、八景島シーパラダイスより悲しいお知らせがありました。
公式の発表によると、2月5日からエサを食べなくなり同18日夕方に死亡したとのことです。
2018年10月4日に大水槽に移されてから、我が家は何度かジンベエザメに会いに行きました。
そのたびにその大きさに驚き、今後の成長を楽しみにしていたので、今回のお知らせはとても悲しいです。
ここでは、ジンベエザメ飼育の経緯や大水槽での様子をまとめ、我が家のジンベエアルバムとして哀悼と感謝を示したいと思います。
もくじ
なぜ?ジンベエザメの死因は?
現在、ジンベエザメの死因は明らかになっていません。
専門機関と連携して、詳しい原因の調査をしているとのことです。
もし死因が解明・発表されたら追記します。
2月5日からエサを食べなくなったということで、そのころからどこか体の具合が悪かったのでしょう。
個人的には、大水槽の幅はジンベエザメにとって少し窮屈だったのではないかな、と感じます。
おかげでかなり間近に観察できましたが、他の魚たちも多くいますしやはりストレスがあったのかも・・・?
明確な病気やケガでない限り、はっきりした原因を突き止めるのは難しいのかもしれません。
しかし、何かしら今後の飼育や展示のヒントになるものが分かるといいですね。
八景島に再び現れたジンベエザメ
2018年10月4日、八景島シーパラダイスの大水槽にジンベエザメが搬入されました。
2016年10月に以前飼育していた子が亡くなって以来、丸2年ぶりのジンベエザメ飼育です。
最大20mになるといわれ、計測では13.7mの固体が確認されている世界最大の魚、ジンベエザメ。
前回飼育していた子が亡くなってからは、東日本でジンベエザメを飼育・展示している施設はありませんでした。
しかし今回の固体の展示が始まり、2年ぶりに東日本でもジンベエザメを見られるようになったのです。
千葉から来た若いオスジンベエザメ
今回八景島にやってきたジンベエザメは、2018年8月21日に東京湾の入口、千葉県館山沖の定置網に迷い込んだオスです。
8月28日から八景島シーパラダイスにある「うみファーム」のいけすに移し、自然の海に近い環境での飼育・経過観察を行なっていました。
そして10月4日からは、アクアミュージアムの大水槽「大海原に生きる群れと輝きの魚たち」にて展示を開始。
水槽搬入時の体長は4.5mでした。
大人になると8~10mを超えるので、まだ若い固体といえるでしょう。
展示当初から、「水槽サイズを考慮して5.5mを超えたら海に帰す」と言われていました。
ジンベエザメの成長スピードは分かりませんが、あと1mの成長という期限付きの飼育だったわけです。
ジンベエザメがいたアクアミュージアム大水槽とは
ジンベエザメが入居したのは、アクアミュージアムの大水槽「大海原に生きる群れと輝きの魚たち」。
八景島シーパラダイスのシンボルのひとつにもなっている大きな水槽です。
ドラマや映画の撮影に使われることもあるので知っている方も多いのでは。
何百ものイワシが群れをなし、その周りをサバなどの中型魚が、さらに水槽上部をシロワニなどの大型魚が泳いでいます。
海を切り取ったようなこの大水槽では、大型魚の捕食も展示の一部です。
泳ぎ回るイワシの群れを中型・大型魚が襲う場面が見られるかもしれません。
大型魚の動きに、キラっと光を反射して身をひるがえすイワシはとてもキレイ。
息をのむ弱肉強食の世界を体感できます。
正面からだけでなく、水槽内を上がっていくエスカレーターからも、まるで海の中にいるような光景が楽しめます。
また、1階部分から見上げるだけでなく、3階部分(エスカレーターであがった階)からも大水槽が臨めます。
1階からはイワシなどの魚群を、3階からは上部を回遊する大型魚を間近に見られて、2度おいしい構成です。
なお、ジンベエザメ搬入にともない、大型のシロワニやハンマーヘッドシャークは別の水槽(3階)にお引越ししていました。
ジンベエくん亡き後、また大水槽へ戻ってくるのかも・・・?
ジンベエザメをいろいろな角度から観察
雄大な海を実感できる大水槽に君臨していたジンベエザメ。
おとなしい魚ですが、やはりその大きさは存在感たっぷりでした。
水槽のどこから見るかで、全く違った様子を楽しめました。
大水槽1階部分から見上げる雄大なジンベエザメ
ジンベエザメは水槽の上部を回遊していました。
1階部分からは、ゆったりと泳ぐ姿を見上げることになります。
ジンベエザメの動きに散ったり、また集まったりするイワシの魚群のきらめき・・・
いつまででも見ていられるような、静かな雰囲気がありました。
エスカレーターでジンベエザメに大接近
大水槽の奥に回りこむと、水槽内を通るエスカレーターがあります。
海の底から海面へと、ゆっくり上昇しながら魚たちを観察できるイメージ。
回遊するジンベエザメを間近に見られるおすすめスポットでした。
一緒に海にいるような距離感と浮遊感は興奮間違いなしです!
ジンベエザメを飼育・展示する水族館は他にもあります。
しかし、このアングルは八景島シーパラダイスでしか見られなかったのではないかと思います。
またいつか、ここから見られたらいいですね。
大水槽上部からジンベエザメの横顔をチェック
エスカレーターをあがると、3階フロアです。
一時ジンベエザメにお別れして、入り江の生き物や深海のエリアへ。
その後、クラゲのエリアからも大水槽の上部が見られます。
ここでは、ジンベエザメが泳ぐのと同じ高さからの観察ができました。
とくにクラゲエリアの出口、順路に従って右手の窓は回遊するジンベエザメが目の前を通り過ぎるビューポイント。
肌のざらついた感じ、目やエラまでじっくりと観察でき、娘も私も興奮しました。
ジンベエザメのエサやり「フィーディングタイム」
八景島シーパラダイスでは、1日に2回ジンベエザメにエサをやる「フィーディングタイム」を行っていました。
ジンベエザメは海で一番大きな魚ですが、エサはプランクトンや小エビといった、ちいさな生き物。
それらを海水ごと吸い込む豪快な食事です。
エサとなるちいさな生き物は海面にいるので、エサを効率的に食べるためにジンベエザメは海面に口を近づけて、吸い込みやすいように体を縦にします。
この立ち泳ぎが見られるのはエサやりのときだけです。
フィーディングタイムは各回10分程度なので、貴重なシーンと言えるでしょう。
画像は3階からのもの。
海面や口元を見やすいのは3階、立ち姿全体がよく見えるのは1階でした。
日本国内のジンベエザメが見られる水族館
今回ジンベエザメが亡くなり、再び東日本でのジンベエザメ展示はなくなってしまいました。
では、国内でジンベエザメを見られる水族館はどこにあるのでしょうか?
気になったので調べてみました。以下、情報は2019年2月のものです。
東側から紹介していきますね。
石川 のとじま水族館
トトベエ(オス)、イオリちゃん(メス)を飼育中。
ジンベエザメはエサを食べるとき垂直の姿勢になります。
しかしのとじま水族館の水槽は深さ6mなので、それ以上大きくなると飼育できません。
そのため5.8mほどになったら海に帰しています。
大阪 海遊館
海くん(オス)、遊ちゃん(メス)を飼育中。
海遊館では、体長6mほどまで育てて自然に帰す活動をしています。
名前は代々、オスは「海くん」メスは「遊ちゃん」で固定です。
鹿児島 いおワールドかごしま水族館
鹿児島では、年に数頭のジンベエザメが定置網にかかります。
そのジンベエザメを水槽内で飼育し、5.5mほどまで成長したら海に帰す「かごしま方式」の展示です。
名前は代々ユウユウ。
現在飼育中の8代目は2018年6月搬入された5mのオスです。
沖縄 美ら海水族館
ジンベエザメといえば一番にイメージされるでしょう、人気の水族館。
館内水槽にジンタ(オス)とメス1頭を、海上いけすにメス1頭の合計3頭を飼育しています。
水槽内の2頭は8mを超える大人。
他の水族館では5~6mで海に帰してしまいますから、国内で飼育されているジンベエザメでは最大です。
美ら海水族館ではこの2頭の繁殖が期待されています。
ジンベエザメ、貴重な経験をありがとう!
現在、日本国内でジンベエザメが見られる水族館は4館しかありません。
そして美ら海水族館以外は5~6mになったら海に放流するため、ずっと飼育しているわけではありません。
3つの水族館では、定置網にかかったものをメインにチャンスがあれば飼育をしていくと思いますが、時期によってはジンベエザメがいない場合も。
今回は約半年という短い期間になってしまいましたが、八景島でジンベエザメが見られたのはとてもありがたいことでした。
普段、4館にはなかなか行けないので、私も娘もすごく嬉しかったし、もっと海やそこで暮らし生き物たちへの関心が強まったし、他の4館のジンベエザメにも会いに行きたいと感じました。
また、悲しいお知らせに命の尊さ、それを人間の手で飼育していくことの技術的・倫理的な難しさを感じ、深く考えるきっかけを与えてくれたことも、ジンベエザメには感謝しています。
難しいことではありますが、また機会があれば八景島での飼育・展示をしてもらえたらな、と思います。
っと、ちょっとしんみりしましたが、八景島シーパラダイスにはジンベエザメ以外にも珍しい魚や海の生き物の展示やふれあいプログラムがいっぱいです!
子どもはもちろん大人もたっぷり楽しめる施設なので、ぜひお出かけください。
子連れで八景島シーパラダイスを楽しむために、子連れ向け八景島シーパラダイス攻略情報もまとめているので、参考にしていただけたら嬉しいです。